独占インタビュー|Manjuu代表 林書茵氏に聞く
「破釜沈舟(背水の陣)」で挑む、新たな星原計画
文/ゲーム業界誌「游戏那点事」 西沢歩
小さなチームで、大きな挑戦を
『蓝色星原:旅谣(Blue Star Origin)』は、近年もっとも注目を集める二次元系タイトルのひとつだ。
正統派の異世界ファンタジー世界観、高完成度な初期テスト、そしてManjuu(蛮啾)というブランドの信頼感が、ユーザーの期待と忍耐を引き寄せている。
2015年創立のManjuuは、常に独自の社風を貫いてきた。
オフィスには社員のフィギュアがずらりと並び、下班後は同好会活動も盛ん。
一角には「猫部屋」まであり、社員はいつでも猫と遊べる。
大企業的な堅苦しさとは無縁の、クリエイティブスタジオのような空気が漂う。
そんな自由な環境で、Manjuuは長寿ヒット作『アズールレーン』を育て上げた。
しかし、『蓝色星原』はその系譜から一線を画す。
世界観もシステムもまったく異なり、挑むは「一線級タイトルの最難関」だ。
2023年末に版号(ライセンス)を取得して以来、1年以上の開発期間を経て実施された「星至テスト」では、上々の成果を収めた。
だがその裏で、開発理念やチーム運営の実態は、外からほとんど知られていない。
ちょうど東京ゲームショウの開催に合わせ、筆者はManjuuの共同創業者・林書茵(リン・シュイン)社長に話を聞く機会を得た。
ファンの間では“林社長”としておなじみの人物だ。
01 閃光のように生まれたアイデア
「なぜManjuuは、2Dの『アズールレーン』から一転して3Dの『蓝色星原』に挑んだのか?」
筆者は、戦略的判断や市場分析など、いくつもの理由を予想していた。
しかし林社長の答えは意外なものだった。
「きっかけは、制作人“鱼丸(ユーワン)”のひらめき、ただそれだけなんです。」
2020年のある日。人生をぼんやり考えていた鱼丸の脳裏に、突如として“世界”の構想が閃いたという。
彼は典型的なオタク気質。
寝る時間は1日4〜5時間、外出もほとんどせず、パソコンとコーラがあれば一日中集中できる。
仕事とゲーム以外に関心がない。だがその純粋さが、創造のエネルギーになっている。
デザイン専攻出身の彼は、頭の中で緻密な世界観を構築するタイプ。
地形、人文、文明構造――全てを一から考え抜く。
こうして『蓝色星原』の世界の基盤が生まれた。
開発当初から「大規模オープンワールド」を目指していたわけではなく、
遊びの核を追求するうちに、自然とスケールが膨らんでいったという。
Manjuuは“トレンドよりも面白さを優先する”方針を貫く。
「システムは楽しいか」「風土や文化に独自性はあるか」――
この基準が、全ての設計の根幹にある。
プレイヤーに人気の“奇波(キボ)”システムも、鱼丸の発案によるもの。
名前は「響きがかわいく覚えやすい」ことから付けられた。
Discovery Channelの熱心な視聴者でもある彼は、“人と自然の共生”という理念を盛り込み、
奇波を単なるペットではなく、プレイヤーと支え合う存在にした。
もっとも、2Dゲームで名を上げたManjuuにとって3D化は大きな挑戦だった。
鱼丸の提案後、すぐに新たな技術体制の構築に着手。
林社長は常に鱼丸を信頼し、
「彼の発想力だけでなく、市場を見る目もずば抜けている」
と語る。
現在『蓝色星原』には、進化形を含め百種類近い奇波が登場。
さらに数百案ものデザインが温存されている。
大胆な創造性と実行力――この二つのバランスが、チーム全体の特徴でもある。
02 少人数で高密度開発を
「がんばって、まずはリリースまで持っていこう!」
これはManjuuの社内でよく使われるスタンプだ。
『蓝色星原』のような大規模プロジェクトを限られた人数で作り上げるには、
チーム全員の効率と集中力が鍵となる。
現在の開発チームは300人あまり。
『アズールレーン』の頃からは大幅に増えたが、それでも同規模の他社タイトルに比べれば“小規模精鋭”だ。
Manjuuには“純管理職”が存在しない。
林社長は言う:
「管理者も必ず現場で手を動かすのがManjuu流です。」
各部門リーダーは開発パイプラインを熟知し、
部門間の連携を自ら調整する。
この“フラットな構造”が、問題発生時の判断を早くし、
意思決定のスピードを大幅に高めている。
また、各モジュールには経験豊富な“コーディネーター”を配置。
その分野の専門家でありながら、一部マネジメントも兼任する。
モジュールごとに最適な管理方法を採る――この柔軟さが“小チームの強み”だという。
採用基準も独特だ。
理想の人材像は“境界を越えられる人”。
自分の担当範囲にとらわれず、問題を見つけたらどんどん意見を出せるタイプを求めている。
「プロジェクトの成功を最優先する」精神が、チーム全体に浸透しているのだ。
03 良し悪しを決めるのは、プレイヤー
二次元ゲーム業界では、プレイヤーの好みを掴むのが難しい。
だがManjuuは、常にユーザーとの関係を良好に保っている。
理由は明確だ。
林社長いわく:
「私たちは“データで語り、プレイヤーの声を聞く”ことを最優先にしています。」
チームは頻繁にテストを行い、時にはユーザーを社内に招いて体験してもらう。
密閉環境下ながら、最も率直な反応を得ることができる。
テストごとに明確な目的を設定し、
小さな仕組みから大きなマップまで、あらゆる要素を検証していく。
もちろん、開発者の理想との衝突もある。
艺术肌(アーティスト気質)の鱼丸は、自身の物語を完全な形で表現したい。
しかし林社長は、あくまで現実主義者だ。
「プレイヤーが見たくないなら、どんな良いストーリーも意味がない。」
戦闘システム設計でも、このバランスが生きている。
鱼丸は本来、複雑で高難度なアクションを好むが、
モバイル環境では操作制限が大きい。
そのため、テンポ感と爽快感を重視した構成に落とし込んだ。
誰でも遊びやすく、それでいて奥行きを失わない――そんな設計思想が見える。
また、人気の「奇波対決」モードも進化を続けている。
今はまだ1.0版だが、今後は2.0・3.0へと拡張され、
新要素や遊び方が追加される予定だ。
さらに“長草期”(コンテンツが尽きて飽きる期間)対策として、
既存タイトルとは異なる新しい運営サイクルを模索中だという。
林社長はこう語る:
「プレイヤーは消費者ではなく、共創者です。」
彼らの意見こそが、ゲームを進化させるエネルギーなのだ。
04 理性と感性の共鳴
2時間の対話を通して見えてきたのは、林社長と鱼丸の理想的なバランス関係だ。
林社長は理性と計画性の象徴。
鱼丸は感性と創造性の象徴。
理性があってこそ感性は形を持ち、
感性があるから理性が退屈にならない。
二人の両輪が、Manjuuの推進力となっている。
林社長は、プロモーションよりも“実際の評価”を重んじる。
「リリース前のインタビューより、プレイヤーが『面白い』と言ってくれる方がずっと価値がある。」
だからManjuuは、メディア露出が少ない。
派手な言葉で士気を煽る代わりに、
「加油,把项目做上线!(がんばって、ゲームをリリースしよう!)」というスタンプだけが、
チームの団結を象徴している。
「『蓝色星原』を少しでも良くしたい。
できる限りプレイヤーに喜んでもらいたい。
そのために誠実に全力を尽くす――」
それが、Manjuuというチームの“真のスローガン”なのだ。
プロジェクトを進めて、公開し続けろ。
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企業のビジョン語りが多いが、面白いポイントもあった:
・NDA付きテストは社内でプレイヤーが実施
・Kiboのデザイン案は100以上
・バトルは複雑化案あったがスマホ向けに却下
・難易度オプション導入も可能性あり
・Kibo決闘は1.0だけ、追加計画あり
・ガチャ乾期への新対応策あり
・リリース時期かなり慎重
・アップデートは既に開発中
・Manjuuがネットインタビュー少ないのは社会不安やリリース後評価重視
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林さんが今もManjuuの社長だと確認できた!
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法的には他の創業者が社長だが、林さんが会社の顔
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戦闘がもっと複雑でよかったのに、スマホ層配慮で却下された。
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バトル複雑化はダークソウル級を目指したって話だと思う。現状はそこまで簡単じゃなく中間難易度という印象らしい。
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Manjuuがもっと複雑なゲームプレイ案を持ってたのは驚き。CEOとスタッフがそれを止めた🤣 このゲームはR16で露出・ロリ・農場・コレクション路線だし、ガチ勢向けじゃなくカジュアル層狙い。
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報酬・ドロップを複雑/高難易度バトルに縛るのはやめてほしい(導入でも些細なものに)。他は全部クール!
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新AL3D島モードの評判はイマイチなのが不安。AP CBT1は既にかなり滑らかだったそう。
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CBT1のゲーム映像は滑らかだが、ALアイランドプランナーは現時点で正直ガタガタ感が強い
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Azurlane運営側は最近やる気がなさそう。AP開発がAL運営に悪影響かも?運営チームが不足してるのでは、とコミュニティで議論が起きてる。
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デザイン方針はYongshi Ltd.が決定権を持つようになったのでAZ設計が変わったという話。
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スマホ戦闘は「簡単」じゃなく「単純」な設計で差別化。ダークソウルも単純なゲーム性だが簡単ではない、という例になっている。
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ゲーム性はファーミングが中心だがそれがシンプルで好き、との意見も。
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「ボタン連打型」や「簡単過ぎ」ではなく、フレーム回避や被ダメージ判定などで適度な難易度に落ち着く設計方針。
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メインゲームプレイはgenshinよりもさらにボタン連打化が強いと感じた…ミニゲームや報酬がメインの補完になりそう。
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ガチャゲーは難易度高い設計にはならない、その傾向は過去作でも出てる。みんなコレクションとストーリーを楽しむだけ。
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リード開発者は豊かな戦闘を目指しているが、スマホ化につき妥協した。選択肢を複数設けることで幅広い層に対応する姿勢。
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複雑だけど複雑すぎないゲームプレイになってほしい!
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Exclusive Manjuu interview: “Keep going, get the project online.” : r/AzurPromilia
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